Looking back at 2023
一年を振り返る的な記事は2020年以来らしいです。
28歳
28歳になった。完全数でめでたい。30歳になるまでに何を成すか、そろそろ真剣に考えださないとズルッと30歳になってしまいそう。
仕事
異動、休暇、転職と、当初の想像からはかなり異なった激動の一年となった。
クックパッドで働くからにはクックパッドのコアな体験を直接作る仕事がしたいと考え、1月にからレシピ検索チームのリブートに参画した。以前から全文検索技術に興味はあったこともあってナイスマッチ。
動き方としてはいわゆるSearch Platform的なものが多かったように思う。cookpad_allとSolrの間にある検索バックエンド(Rails)のリファクタリングをちまちま進めたりしつつ、改良した構造に乗っかって検索アルゴリズムを少し良くしたりしていた。
もっとも大きな仕事としてはレシピを投稿してから検索結果に登場するまでの時間を大幅に短縮する、というものだった(クックパッドの検索反映時間を 1/288 にしたシステム改修)。このプロジェクトでは一緒に働いてみたかった社内の精鋭メンバーとがっつり組んで進めることができて、異常な速度で仕事が進んでいくが愉快だった。技術的な面でも、本来ステートフルなプロセスであるSolrをステートフルなままECSで動かせるようにするため、自分が点で持っていたAWSの知識をつなげ、データの永続化方式を比較検討・検証したり、そのためにSolrのレプリケーションに詳しくなる必要があるなど、なかなか楽しい仕事であった。
コードを書かない仕事として、RubyKaigi 2023のスポンサーシップのリードを務めた(と思っている)。スポンサーブース、ノベルティ、クイズ、Rubyistで特急あずさの車両を貸し切って松本にゆく「Rubyist on Rails」、クックパッドマートの冷蔵庫を持っていく、アフターイベント「手を動かして振り返る RubyKaigi 2023」と、楽しい企画をお届けできるようあれこれ画策していました。自分の発表の準備もありキャパオーバー気味でしたが、多くの仲間の協力を得られたことでやれました。本当にありがとうございます。少しでもお楽しみいただけたならば、心の底からうれしいです。この段落だけ敬体になってしまった。
と、このようなことをしつつ、9月に退職した(人員削減の対象にはなっていません)。
休暇(9, 10月)
有給休暇は可能な限り繰り越し、可能な限りまとめて使うポリシーによって2ヶ月近い有休消化期間を作れた。1ヶ月ほどゆるゆる無駄に過ごしていたところ、急に活力が湧いてきて趣味のコードを書く気分になってきたのは自分でもかなり驚いた。実際には転職活動をしつつではあったが。どんなに仕事が楽しかろうとも、自由な時間が大量にあることは人生にとってかなり重要なのではないか、という気分になりつつ、10月は後述のRubyのプロファイラのプロトタイプを書いて過ごしていた。
休暇中に旅行でSan Franciscoと周辺に行ってきた。USは直近だけでも何度か行っていて(2019年・2021年)なんとなく知った気になっていたが、ベイエリアは(だいたい)初めてで驚くことが多かった(子供の頃に行った気もするが、記憶はない)。SF市内の広告がいわゆるTech企業のものだらけで、なるほど、これは東京にはない環境かもしれない、と少し思った。PagerDutyの広告があったのはちょっと笑った。
車を借りて、いわゆるSilicon Valleyにも足を伸ばした。Computer History Museumに行く道中で少し迷ってしまいGoogleのエリアに入ってしまったが、Googleロゴがついた建物がどこまでも続いていて圧倒されたりもしていた。USで働くことについては今まで真剣に考えたことはなかったけれど、東京で働くのとはまったく異なる体験なのだろうな、という想像が急にはたらくようになって、将来的なキャリアに思いを馳せたりしていた。
あとはStanford Universityにもお邪魔したりしていた。33.1km^2、つまり筑波大学筑波キャンパス(2.58km^2)の12.9倍ほど広いらしく、謎に悔しい。
無職への耐性がある人とない人がいるらしい。今回は無職期間ではなく有休消化、すなわちライフ(口座残高)をさほど削らない休暇であったので、自分にこの耐性があるかは分からなかったが、自由な時間が大量にある分にはまったく困らないことは明らかになった。少なくとも半年ぐらいは気持ちよく過ごせる自信がある。
仕事ふたたび
有休消化期間を経て、今は(株)スマートバンクでB/43というサービスを開発する仕事をしている。毎日元気にやっています。Rubyで仕事をできるというのは今回大事にした要素のひとつで、会社としてもRubyにおけるTier 1を目指し始めたところなので、そういう活動の面でもちょうど楽しい時期に入ったなと思っている。詳しくはまた別途。
趣味
小型船舶免許を取得して、何度かレンタルボートで川や湖や海に出た。操縦できる乗り物が増えるのは良いこと。船の操縦はかなり楽しい。東京の河川や猪苗代湖も良いところだけれど、海の広い水面に出た時が一番気分が上がるのは意外な発見だった。
2022年の自分が聞いたらかなり驚きそうな活動としては、バンドを組んでライブをしたことがありそう。パートはキーボード。Roland JUNO-DS61を購入して練習に勤しんでいた。鍵盤を弾けるようになりたいという気持ちはかなり昔からあって、FM音源のキーボードを買ってみたり、廉価なキーボードを買ってみたりということはしていたが、曲を演奏できるレベルに達したのは初めてかもしれない。かなり嬉しい。
JUNO-DSはスピーカー内蔵ではないのと、でっかいので気軽さにはちょっと欠けるところがあって、そこを補うためにYAMAHA PSS-A50も買った。これはリビングに出しっぱなしにしていて、ちょっとしたメロディラインを弾いて遊んだりしている。2024年はもうちょっと練習して、好きな曲を自在に弾けるようになりたい。
Ruby
参加したカンファレンス・勉強会は福岡 Rubyist会議 03、RubyKaigi 2023(発表)、手を動かして振り返る RubyKaigi 2023(主催)、とちぎRubyの勉強会 拡大版、RubyKaigi 2023 follow up(発表)、Kaigi on Rails 2023、Ruby 3.3 リリースパーティーの7つ。
今年はRubyコミュニティと関わる機会がかなり増えた一年だったとも思う。特筆すべきはRubyKaigiで発表できたことで、これを機にコミュニティ内の知り合いがかなり増えた気がしている。なかなか自分で面白いと思える発表に仕上がらなくて苦戦していたけれど、やってよかったことはたくさんあった。2024も挑戦したい。
Ruby自体との付き合いはそれなりに長くなってきている(2011年の8月に書き始めたらしい、Ruby 1.9.2-p290とのこと)が、ついにCRubyのコードを少し読めるようになった気がしていて、見方が少し変わったように思う。せっかくRubyを書く仕事をできているので、CRubyの知識も仕事にうまいこと使えるようになるといいな。
ISUCONに向けてRubyのプロファイラをちまちま作っていたのを2023年度のRubyアソシエーション開発助成にも採択いただいたので、2024年もがんばっていきます。これに関してはまた別途記事を書く。
2024年へ
来年はプログラミングにもっと向き合いたい。がんばってゆきます。